光に溺れ闇と踊れ

日々の怒りや嘆きを文章にしていきつつ、SHINEな国に抗う、そういうブログ

次期米国大統領について知っておきたい3つのこと

これは本当に大事なので書くよ。なにせ、次の4年間嫌になるほど目にするだろうからな!

Twitterでの発言

ドナルド・トランプ時期大統領はTwitterでものすごく発言している。

発言のパターンは2つあり
・相手を攻撃
・味方を賞賛
するものだ。

相手を攻撃することについては、このニューヨーク・タイムズの記事が時期別に分けている。
http://www.nytimes.com/interactive/2016/12/06/upshot/how-to-know-what-donald-trump-really-cares-about-look-at-who-hes-insulting.html?_r=0

ヒラリー・クリントン候補ビル・クリントン元大統領、オバマ大統領、バイデン副大統領、バーニー・サンダース民主党、共和党、リンゼイ・グラハム上院議員やジョン・マケインミット・ロムニーなどの批判的な共和党議員、ほとんどの元共和党候補テッド・クルーズベン・カーソンジェブ・ブッシュ、マルコ・ルビオなど)、ブッシュ一家、ニューヨーク市長、CNN、ハフィントンポスト、WSJ、FOXニュース、AP通信ニューヨーク・タイムズワシントン・ポストなどの大手メディア、政治家、米大手デパートメイシーズ(トランプとの契約を切ったため)、健康医療保険オバマケア)、投票システム、(トランプに批判的な)デモ、NFL(プロフットボールリーグ)、その選手、批判的なコラムニスト、新聞記者、レポーター、キャスター、ブロガー、女優、男優、モデル、弁護士、コメディアン、SNL、ミュージカル「ハミルトン」の出演者一同、元トランプのスタッフで暴露本を出した人、トランプ名義で出したベストセラーのゴーストライター、英国、中国、ドイツ、イランとの核兵器取引、イラン、メキシコ、サウジアラビアアメリカ合衆国、ワシントンDC、ニュージャージー州、IS、EUのリーダー これでもまだ一部である。

例えば、米BuzzFeedの記事によれば
https://www.buzzfeed.com/charliewarzel/here-are-the-294-accounts-donald-trump-retweeted-during-the?utm_term=.hq7Jq4Lw9#.fjPA8VaeW

「普通の政治家は誰をRTするか、ということを選んでいるがトランプはほとんどそこを考慮していない」
捨て垢だとしか思えないものもRTしている」
「そして、Twitter運営により凍結された極右・オルトライトのアカウントも頻繁にRTしていた。そうでなくても、自身の子供、SNSのキャンペーンマネージャーや(好意的な)FOXニュースを頻繁にRTしていた」
ということが書かれている。

現在、オバマ大統領はPOTUS(Presidents of the United States of America、つまりアメリカ合衆国大統領の略称である)アカウントの元で発信している。08年から17年1月19日までの発言は全てPOTUS44アカウントに移行される(第44代目)のだが、問題は

・今までのトランプの発言は全て消されてしまうのか?
・移行するにしても、数々のセクシズム・レイシズムデマゴギーもそのまま移行されるのか?
・大統領公式アカウントで今のように発言するのか

ということだろう。つまり、どうことが転んでも問題がある。
・今までのトランプの発言は全て消されてしまうのか?
→誰かが全発言のバックアップを取っているだろうとは思うが、容易にアクセスはできなくなり、つまりは検証ができなくなってしまう

・数々のセクシズム・レイシズムもそのまま移行されるのか?
→それはそれでものすごい問題だろう

・大統領公式アカウントで今のように発言するのか
ニューヨーク・タイムズの読者も
http://www.nytimes.com/2016/12/01/opinion/how-the-media-covers-donald-trumps-tweets.htmlhttp://www.nytimes.com/interactive/2016/12/06/upshot/how-to-know-what-donald-trump-really-cares-about-look-at-who-hes-insulting.html?_r=0

「トランプはツイートするのが好き。わかった。わかっている。だが、これを【普通のこと】だと受け止めてそれを「情報」として流すのを辞めてくれ」
「いい加減にしてくれ、トランプはいつも自分だけが注目を浴びたいんだ。彼に対する不必要な報道は辞めてくれ。彼のツイートをいちいち発信していたら、何を報道しないんだ?まだ4年間もあるんだぞ?」

と意見欄で批判している。

これは確かにその通りで、政策に対する批判であったり、任命する予定の人事に対する批判というのが薄れてきてしまっているのでは?というところの危惧が非常にある。彼(とその陣営)は完全に分かりきった上でやっている。

つまり「オバマケアの廃止」「メキシコの間に国境を作る」「ロシアはハッキングしていない」「地球温暖化はデタラメで科学者のウソ」「イスラムは全員強制送還(犯罪歴のある、にトーンダウンしたとはいえ本当にやりかねない)」から目を逸らさせるために『過激な』発言を書いている、という一面もある。
しかし、トランプのツイートを報道しなければ事態が好転するわけでもない。というのは、そもそも昨年7月以降記者会見を一度も開いていないし、今後4年間いつ開くかどうかも全く分からない状態だからだ。
(最近会見を開いたが、もしかしたらそれが最後になるかもしれない)
そのため、Twitterでの発言しか本人の意図を引き出すしかない、というあまりにも異様な状態になっている。

現に、本邦においても『過激なことを言っているがフレンドリーでいい人』『過激だけど実は親日』報道がもう既に報道されているし、来年はさらに悪化するだろう。「カジノ法案が通ったので、カジノ経営者でもあったトランプに直撃!」みたいな、そういうものを見させられることになる。これは予想だが、これよりひどいことは起こると見て間違いないだろう。

トランプは誰を任命するのか

これは書いたらものすごく長くなってしまったので別エントリで詳細については書きます。
(ここでは要点のみに絞る)

トランプ陣営は、キャンペーン中は
「ヒラリーはインサイダー」「ヒラリーは不正をしている」「ワシントンのドブさらいをする」
と頻繁に発言していた。

が、分かっているだけでも任命しているのは不正をしていて、人権毀損で訴えられ、全てを文字通り破壊しようとしている人だった。
維新の会の公募校長がどのような結果になったか?ということを見ると、その結果は言わなくても分かるだろう。

トランプ内閣のほとんどが
・現職議員の指名はかなり少ない(報復だろう)
・圧倒的にインサイダーが多い(元軍人、元金融機関所属、元企業社長、元ブッシュ政権関係者)
・白人男性が圧倒的に多い(数少ない中マイノリティや女性もいるが、ほとんどが白人男性だ)
・明らかにコネと金
のみで成り立っていて、つまりはTwitterで発言するように政権を私物化するのだろう。
「インサイダーがいない」とはいえ、ロビイストそのものがトップに立ち、共和党はバラバラになる。
希望を捨てるな、まだ中間選挙がある、と言ったところで2年だけでも大惨事になるだろう。

マイク・ペンス副大統領はものすごく危険だ

「偽りの希望」としてのマイク・ペンスというのはかなり望まれていた節があったように思われる。
副大統領討論会におけるペンスへの評価は高く、「トランプの代わりに出て欲しい」という声があったくらいだ。
トランプにも批判的だった時期もあった。しかし、それが罠だ。

一番ありうるパターンが、トランプは自分がやりたいことをやり、それ以外をペンスがやること。
予想できうる最悪のパターンは、トランプが弾劾され、ペンスが大統領になることだ。
その可能性が無いとは言えない。
にせよ、日本ではいかに「ペンスが危険なのか」「そもそもどういう人物なのか?」ということが報道されなかったように思わえる。

http://www.huffingtonpost.jp/2016/11/19/mike-pence_n_13086140.html
ここに書かれていることをまとめる。

マイク・ペンスはインディアナ州州知事だった。ガッチガチの複音派で、州知事時代に州内での同性婚と中絶を違法化した。そして「宗教自由回復法」という法律に署名し、その後撤回している。この宗教自由回復法というものは、ビジネスオーナーなどが「自らの宗教的信条を理由に拒否する自由がある」というものだ。つまり、LGBTQへの行政サービスの提供を合法化しようとしていた。おそらく、ペンスはこれをねじ伏せてくるだろう。

そもそも、性的指向を変える治療(コンバージョン・セラピー)を支持し、「同性婚は結婚を崩壊させる」と発言し、オバマ大統領のLGBTQ政策を全てひっくり返すと発言したので、凄まじい排除と差別が起こるのは目に見えている。

トランプが本当に何を考えているのかは分からない。あれだけ「当選した暁にはヒラリーを裁判にかける」と言っていたのに、それを撤回した。メキシコとの国境の間に壁を作る、とぶち上げたものの詳細は未だに分からない。しかし、ペンスは明確な思想がある。そもそも、トランプは外交は「完全にペンスに任せる」とも公言している。だからこそ、トランプ以上にペンスの動向も見ていかないといけない。